授業の目的
工学のさまざまな分野で現象を表現, 解析する手段として微分積分学と線形代数学の知識は欠かせない.
ここでは, 2変数関数を主とした微分法, 積分法と線形現象を表現するために必要な行列の基礎知識を身につける.
達成目標
- 2変数関数を理解し, 偏導関数, 高次偏導関数, 合成関数の導関数を求めることができる.【15%】
- 1変数関数及び2変数関数の展開公式を理解し, 近似計算に応用できる.【15%】
- 1変数関数及び2変数関数の極値を理解し, 求めることができる.【10%】
- 2重積分を理解し, 累次積分によって求めることができる. また, その知識を体積の計算に応用できる.【15%】
- 行列とその基本演算を理解し, 計算できる. 逆行列, 連立1次方程式, 基本行列の関係を理解できる.【15%】
- 行列式とその性質について理解し, 2次と3次の行列式をその性質を用いて求めることができる.【15%】
- 行列の固有値とその固有ベクトルについて理解し, 求めることができる. また, その知識を行列の対角化に応用できる.【15%】
以上の目標を学生が達成できるように, 講義を中心とした授業を行う.
修得する知識・技能
- 専門的知識・技能 ◎
- 実践的技術力 ー
- 豊かな人間性と社会性 ー
授業の教材(講義動画とスライドファイル)
2020年度はCovid-19の影響により,クォータ数学科目は,遠隔授業主体の授業形態でした.秋学期授業用に作成した
講義動画 と
スライドファイル を公開します.※ただし,講義動画を視聴するには,本学の Microsoft 365 のアカウントが必要です.
- 偏微分
- 2変数関数とそのグラフ 2.3[1](p.49〜) 134〜136
- 偏微分 2.4[1](p.55〜) 137〜139
- 高次偏導関数 2.4[2](p.57〜) 140,141
- 合成関数とその微分 2.4[3](p.58〜) 146,147
- 級数展開
- 関数のべき級数展開とは 1.2(p.10〜)
- 1変数関数のべき級数展開 2.5[1](p.62〜) 142〜145
- 2変数関数のべき級数展開 2.5[2](p.65〜) 148,149
- 極値
- 1変数関数の極値 2.6[1](p.68〜) 150〜152
- 2変数関数の極値 2.6[2](p.71〜) 153〜155
- 重積分
- 1変数関数の積分 2.7(p.77〜) 2.8 (p.83〜)
- 2変数関数の積分(累次積分) 2.9[2](p.97〜) 156〜158
- 2変数関数の積分(2重積分) 2.9[1](p.95〜) 161〜162
- 行列
- 行列とその線形演算 3.1[1](p.107〜111) 163, 164
- 行列の積 3.1[1](p.111〜114) 165〜168, 170, 171
- 逆行列と行列の正則性 3.1[2](p.115) 169, 172〜174, 176
- 行列式
- 行列に関する補遺(転置行列) 3.1[2] (p.114)
- 行列に関する補遺(基本行列) 演習問題3.1.4, 3.1.5 (p.118〜120) 175
- 行列式 3.3[1][2](p.128〜131) 177〜181
- 行列式の基本性質 3.3[3](p.131〜137) 182
- 固有値・固有ベクトル
- 行列の固有値と固有ベクトル 3.6[1](p.162〜165) 183〜185
- 行列の対角化 3.6[2](p.165〜169) 183, 186
評価の方法と基準
- 7回分の小テストの結果と提出課題の評価に基づいて総合得点を求め, 60点以上を合格とする.
教科書・参考文献について
- 南部徳盛 著, 現代数学ゼミナール9 『数学概論 微分積分と線形代数 』, 近代科学社
ISBN:978-4-7649-1011-9
- 衛藤和文・佐藤弘康・柳下稔・高岡邦行・堀内淳・内藤貴仁 著, 『大学数学これだけは ―精選1000問 』 第2版, 『同・解答集 』第2版, 学術図書出版
ISBN:978-4-7806-0682-9, 978-4-7806-0683-6
科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
この科目は, 「基礎数学II」の後続科目であり, 「基礎数学II」を受講した学生は「基礎数学II」の単位を習得していることが履修条件となる. 微分積分学の基礎として, 「基礎数学II」では1変数関数の微分法, 積分法を扱っている. また, 線形代数学の基礎として, 「基礎数学I」ではベクトルを扱っている. この科目では上記2科目の内容を踏まえ, 微分積分学における2変数関数を主な対象とした微分法, 積分法と, 線形代数学における行列式と固有値, そしてそれらの応用として行列の対角化について学習する.
この必修科目を履修することにより, 工学部生として最低限必要な数学の知識を習得することができる. なお, 本科目の履修者は, 本科目に合格しないと後続科目の「応用解析」を履修することができない.
履修登録前の準備
「基礎数学I」, 「基礎数学II」の内容を十分に理解していることが望ましい.
授業時間外課題に挙げたキーワードについてテキスト及び指定の問題集で予習を行うこと.